賃金のキャッシュレス化について

現在、賃金の支払方法は原則として現金による手渡しか、例外として銀行口座への振り込みと定められています。今後はこれらに加えてキャッシュレスによる賃金の支払いも可能となります。
2023年4月から〇〇ペイなどのキャッシュレス決済の事業者が国に申請をし、数か月の審査が終わってからの運用となるので、実際に始まるのは2023年後半になりそうです。

●賃金のキャッシュレス化は労働者の同意が必要
実際に賃金のキャッシュレス化の制度が始まったとしても、労働者の同意がない限り賃金がキャッシュレス化されることはありません。
事前に賃金のキャッシュレス化を選択肢に加える旨を労使間で合意したうえで、労働者から同意を得られた場合のみということになります。

●キャッシュレスを選択肢に入れる場合は銀行口座も選択肢とする
労働者に賃金の支払方法の選択肢としてキャッシュレスを提示する際は「現金 または キャッシュレス」というような組み合わせではなく、「現金 または 銀行口座 または キャッシュレス」としなければなりません。

●利用できるキャッシュレスサービスは現金化できる口座のみ
使用目的が限られたポイントで賃金を払われても困りますね。そこで賃金受け取り可能なキャッシュレスサービスは１円単位で現金できる口座のみとされています。現金化は、銀行口座への払い出しやＡＴＭでの払い出しになります。

●キャッシュレス口座の残高上限は１００万円
口座残高の上限は１００万円とされていますが、普段持ち歩くスマホに大金が入っているのは少し心配になります。口座が不正利用されたときはインターネット・バンキングと同じように全額が補償されますが、利用者に過失がない場合の補償ですので相当の注意が必要です。

●キャッシュレス事業者の破綻に対応
万が一、利用しているキャッシュレスサービスの事業者が破綻しても、全額の払い出しが保証される仕組みが新設されます。

以上、賃金のキャッシュレス化についてまとめてみました。

どこまで普及するか未知数ではありますが、今後も様々な場面でキャッシュレスが導入されていくのでしょうね。

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